
* とてもあたたかい場所です *
深夜の音色 お月さまもたのしそうに浮かんでいらっしゃいました
草や土のいいにおい 火の子はパチパチ
にんげんも地球もトクトク脈を打っています


つぎの日の空の色、真っ青だった*

夜が明けて古い喫茶店で朝ごはんをたべました
バター メープルシロップ アメリカン珈琲
上品な白磁のお皿とカップ
小ぶりだけれどもよく切れる銀のナイフに
柄の細工の模様がそれぞれちがうお揃いのフォーク
ころんとしたかわいいお水のグラス
ガラスケースの向こうにアフリカ?の木彫りの人形の横顔がみえます
いろんな国からのお客さんの声と迎える
あかるい店員さんのぽかぽかした英語もきこえて
生き生きがあって 気持ちのいい翌朝でした*




なつのあいだ机の上に積んでいた本を本棚に並べました。
旅先の古本屋さんで見つけた、店主さんにも一緒に探していただいた
その地に伝わるお話たちが編まれた本、数冊です。
棚を整えたら日々のぱたぱたから逃げたふわふわがすこし舞いました。

朝、目が覚めると、腕がもぞもぞするので見てみると
てんとう虫がくっついていました。何処から来たのかな^^


** 眩しい夏の真ん中 がたんごとーん **

***
みかんのだんだん畑が広がるリアス式海岸のぐるりを
人影少ない路線バスが見え隠れしながらのんびり走ります
母の生家は宇和海の入り江にあって
小学生の頃は空港受け渡しのような感じで
夏休みの半分をおばあちゃんちで過ごしました
祖父は出征したままかえらなかったのでおばあちゃんとのふたり暮らしです
家から海は子どもの足でも20歩くらい
ゆらゆら停泊しているちいさな漁船に繋がれたロープはぎーぎーと鳴って
穏やかな波がちゃぷんちゃぷんを延々繰り返します
お風呂場の端を小走りするフナムシや裏庭のトマトのあおいにおい
漁師さんに沖の灯台まで小舟で連れていってもらった時のうみの透明
お昼間はとても暑いけれど夕暮れ頃の浜風が気持ちよくって
日が落ちればゼンゴをバケツいっぱい釣りました
はじめて見た本当の夜空は星がありすぎて素直に引いて思った
大昔のひとはこんなうじゃうじゃからいったいどうやってお話を紡いだの?
花人だった祖母が言葉ではない静かな言葉でおしえてくれた
あの午後の床の間の景色
今も変わらずにここで息をしています
とてもきれいだった夜に


やっぱりコーヒーは上手にいれられたりそうでなかったり
でもいいにおいがしあわせなのはいつも一緒です
からだを縮めてガラスのポットに鼻がくっつくくらい顔を近づけると
こはく色のまるいしずくはぽたぽた落ちて思い思いに
あっちへいきこっちへいきぶつかりあって
海の空のきらきら星のくすぐったいおしゃべりがきこえるみたいです

湯気の立つ 最後の砦から


* ぞうくん うみへ いくのー?
うみって なあに? わにさん *



あついなぁ〜〜 


早春のお花ヒヤシンスはいっぽんあるだけで、
台所がふんわりいいにおいです。近所のお花屋さんに
おしえてもらいました。最近は、すこし歩けば
どこかのお庭のジャスミン?が風に香ります。

一昨日、10コ入りパックの最後のたまごを割ったら、
雪だるまみたいな双子のたまごがフライパンの上にぽとんと落っこちて
踵がちょっと跳ねました。スリッパは取り替えたばかり
ピンク色の春夏向けのかるい仕立てです*

未来からかわいいおまもりをいただきました。
ぐるりがぐるぐるした日。大切にします^^
***
かたんことん 行き先はどこですか?
春雷の向こうの景色です
感じるこころはあきらめずにすすみます
線路際に咲いた今年最初の桜のお花が
あたらしい季節のはじまりをおしえてくれました

雪がふりました。よるの空を見上げてひらいた傘は
コートのポッケにはいるくらい小さな
明るい赤色の折りたたみの傘です。
いつもよりも熱くしたお湯にじんじん浸かったあと
氷をたくさんいれたガラスのコップにサイダーをそそいでのみました。
なんとなく甘い炭酸水がいまに似合うとおもったからです。

おひるまはおひさまもみえて
きのうよりもきょうはあたたかくなりました
街のつぼみもふくふくしています
窓をたたいた南風に明日を伺えば
まだ内緒ですといいました
*たくさん咲いたらうれしいな*
 



*いいお湯みつけたよ〜*



*〜 へび年です 〜*


クリスマスの日、トナカイたちが風邪をひいて寝込んでしまったので
サンタさんはプレゼントを届けにいくのをお休みにして
窓辺から子どもたちの明日の世界を想い願いました。
夜明けの空に舞う新雪のような祈りは
風のなかをきらきらころがって やがてそっと
knock knock
やさしいこは だあれ?
目にみえるものも、みえないものも
遅いメリークリスマスと新年おめでとう*



今朝はめずらしく大好きだったねこが夢にでてきて
野良出身 抱っこされるのが得意ではなかったのだけれど
ゆめのなかでは しばらくの間くっついてくれました
’チョットツカレタノ モッテ(ワタシヲ)’
ヒトの言葉と 当時のままの痩せたふわふわの身体
*
お日さまのにおいが好きなのか うっかり取り込んだままにしてしまった洗濯物の上で
すぴすぴ眠る姿に 毛まみれになった洗いたてのタオルやパジャマにコロコロをする音
高い空 鳥が甲高い声でないています
洗濯日和の今日は あたたかい記憶のところで止めておきたいなと思いました



*朝晩はすっかり寒くなって 温いものがうれしい季節になりました
窓をあけると 遠くまでひろがる 秋晴れのあおい空です*

** きのうのよるは雲の間からまんまるのお月さまがそっと見えました **

美味しかったきつねのおうどん

また食べにいけたらいいな**

雨粒ひとつ 雨粒ふたつ 雨粒みっつ……

知らなかった街の その夜は ぴかぴかでりゅうりゅうで
きらきら燃えて やっぱりとってもきれいで いってよかったって
月をみては はじめての道をたくさんあるいてかえりました 心臓は ここ

えほんをつくるようになった頃、母親に聞いてみたことがありました。
そういえばわたし子どもの頃どんな絵本が好きだった?
えぇと…『ないたあかおに』とか…?
そう言われてぱっと当時がよみがえりました。
鬼なのにどこか悲しげな表情、ひざをついて泣いている終わりのページ。
何度も何度も読んだこと。抱いた「何か」がそうさせたこと。
○
ひろすけ童話のひとつに『おやまのこぐま』という作品があります。
木の実が大好きなこぐまさん、ある日きつねさんから
にんげんの作ったくりきんとんをわけてもらいます。それがとってもおいしいものだから
もっと食べたくって、おなかのなかにいるくいしんぼうと一緒に
くりきんとんのお山をさがしにいく不思議なおはなし。
亡くなられる年に書きあげられた最後の作品です。
おもいやりのこころに根ざした童話たちのもつまなざしは
どんな世の中をも貫きます。
○
もうすこし季節がすすめば、「ちょろちょろの こりすが いました。」とはじまる
『こりすのはつなめ』というおはなしも冬支度の頃にぴったりで大好きです*


おひるごはんがオムライスのゆめでした**
いただきまーす♪♪

まだまだ暑いけれど 夜風はだいぶ涼しくなりました

おやすみなさいおつきさま
どんなゆめをみるのかな……*





***
せみの声と一緒にはげしくてやさしい愛がいっぱい 最後に
静かな波がすーっと心に届きました
どこまでも広くて深い深いうみにもぐったり
ぷかぷか浮かんだりできたらいいな

海の最初の思い出は夏休みの幸せな海水浴場と霞んで見えた水平線
買ってもらった真っ赤な浮き輪。両親の故郷、四国は瀬戸内の海です。
たぶん3つくらいだったと思うのだけれど、
はじめての浮き輪に感動して沖のきらきらへ向かって全力でバタ足をしたら
すぐに岸の近くまで連れ戻され面白くないと思ったこと。
あっさり終わった最小の冒険でしたが、目の前の赤いまるまるにつかまって
ふわりと体が浮かんだ瞬間は本当に素敵で
これからもふえていく大切な引き出しのひとつにちゃんと仕舞ってあります。

(けれども、うみやかわでうきわとあそぶときはきをつけようね)
***

***
【令和6年度小学校教科書『おんがくのおくりもの 1』(教育出版)】
一年生の教科書です。うたにあわせておはなになってあそぼうのページで
わらべうた「ひらいたひらいた」の挿絵を描きました。

***
どくだみの頃もいつの間にか過ぎて、色々のあじさいが可愛い季節です。
雨の日もわるくない?かな。
銀河でいちばんきれいなひとつぶの星がつよくまたたいた初夏の夜
たいせつなもの「なくてはならないもの」を遥かにここに想いました。
2024.06
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